削らず、痛くなく、歯を残す

「歯医者って、削られるのが嫌だな…」
「治療は痛いから、できれば行きたくない…」
「もう抜くしかないって言われたけど、本当にそうかな…」
そんな不安や諦めを感じているな方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ですが、現代の歯科医療は、かつてないほど進化しています。
私たちは、
「歯はできるだけ削らない」
「痛みを最小限に抑える」
「一本でも多く歯を残す」
ことを治療の最重要テーマとして掲げ、日々の診療に取り組んでいます。
削る部分をなるべく少なく:歯へのダメージを最小限に
一度削ってしまった歯は、二度と元の健康な状態には戻りません。
削る量が増えれば増えるほど、歯は脆くなり、寿命が短くなる可能性があります。
だからこそ、かわばたファミリー歯科では、「歯を削る量を最小限に抑える」ことに徹底的にこだわっています。
コンポジットレジン(CR)治療:金属を使わない白い詰め物

小さな虫歯の治療では、歯を削る量を最小限に抑え、天然歯のような自然な見た目に修復できるコンポジットレジン(CR)治療を積極的に行っています。
CR治療は、歯と同じ色の歯科用プラスチック(レジン)を直接歯に詰め、光を当てることで固める治療法です。
CR治療のメリット
歯を削る量が少ない
虫歯の部分だけをピンポイントで削り、健康な歯質を最大限に残せます。
金属を使用しない
金属アレルギーの心配がなく、銀歯のように目立つこともありません。
自然な見た目
歯の色に合わせて詰め物ができるため、治療箇所が目立たず、審美性に優れています。
1日で治療が完了
ほとんどの場合、1回の治療で詰め物の処置まで終えることができます。
ダイレクトボンディング:さらに精密で美しい、歯と一体化する修復

CR治療は保険診療でも可能ですが、かわばたファミリー歯科では、より高い「審美性」「耐久性」「精密さ」を追求するために、自費診療の「ダイレクトボンディング」をお勧めしています。
ダイレクトボンディングも歯科用プラスチック(レジン)を使用しますが、保険診療のCR治療とは、使用する材料や治療プロセスに決定的な違いがあります。
拡大鏡とマイクロスコープ:ミクロの視野が精密治療を可能にする

「歯医者さんの治療って、すごく細かい作業なのに、どうしてそんなに正確にできるんだろう?」
そう思われたことはありませんか?
かわばたファミリー歯科では、精密な治療のために、拡大鏡とマイクロスコープを効果的に使い分けています。
拡大鏡やマイクロスコープを使用することで、まるで歯のミクロの世界に入り込んだかのように、詳細な情報を得ながら治療を進めることができます。
「削る部分をなるべく少なく」という当院のこだわりを支える重要な技術です。
拡大鏡
歯科医師が常に装着し、肉眼では見えにくい歯の細部を約2~6倍に拡大して治療を行います。
これにより、虫歯の取り残しを防ぎ、歯を削る量を最小限に抑えることができます。
マイクロスコープ
必要に応じて使用し、肉眼の最大20倍以上まで視野を拡大できる歯科用顕微鏡です。
特に、ダイレクトボンディングでの精密なレジン充填、歯の神経の治療(根管治療)や、歯の亀裂の発見など、より高度で精密な処置が必要な場合に威力を発揮します。
う蝕検知液:虫歯の取り残しをゼロに

「虫歯って、どこまで削ればいいの?」
虫歯になった部分は、健康な歯質と同じような色をしていることがあり、肉眼では判断が難しい場合があります。
そこで当院では、「う蝕検知液(うしょくけんちえき)」を使用しています。
う蝕検知液は、虫歯に感染した歯質だけを赤く染め出す特殊な液体です。
これにより、健康な歯質を傷つけることなく、虫歯の部分だけを正確に、かつ確実に除去することができます。
虫歯の取り残しを防ぐことで、再発のリスクを最小限に抑え、歯の寿命を延ばすことにつながります。
痛みを感じさせない工夫:リラックスして治療を受けていただくために
「歯医者=痛い」というイメージは、多くの方が抱えている不安の一つではないでしょうか。
かわばたファミリー歯科では、その不安を少しでも解消し、皆さんにリラックスして治療を受けていただくための「痛みを感じさせない工夫」を徹底しています。
表面麻酔:チクッとする痛みを軽減

麻酔注射を打つ際の「チクッ」とした痛み。これが苦手な方は多いと思います。
当院では、麻酔注射の前に、まず歯茎の表面に「表面麻酔」を塗布します。
これにより、歯茎の感覚が麻痺し、注射針が刺さる瞬間の痛みを大幅に軽減することができます。
お子さんの治療でも、この表面麻酔は非常に有効です。
電動麻酔:ゆっくり、優しく麻酔液を注入

麻酔が痛いと感じる原因の一つに、麻酔液が注入される際の「圧力」があります。
かわばたファミリー歯科では、「電動麻酔器」を導入しています。電動麻酔器は、コンピューター制御で麻酔液をゆっくりと一定の速度で注入することができます。
これにより、麻酔液の注入時の痛みを抑え、不快感を軽減します。
人の手で注入するよりも、はるかに滑らかで優しい麻酔注射が可能です。
極細針の使用:ほとんど痛みを感じさせない注射針

麻酔注射の痛みを軽減するために、使用する針にもこだわっています。
当院では、現在流通している麻酔針の中でも、最も細い「極細針」を使用しています。
針が細ければ細いほど、組織への侵入時の抵抗が少なくなり、痛みをほとんど感じさせずに注射をすることができます。
歯を残すための工夫:諦めない。最後の砦となる治療
「この歯は、もう抜くしかない…」
そう言われた経験はありませんか?
かわばたファミリー歯科では、「一本でも多くの歯を残す」ことを強く意識しています。
歯を抜くことは、最終手段だと考えています。たとえ、他院で「抜歯しかない」と言われた歯でも、当院でなら残せる可能性があるかもしれません。
最新の医療技術と専門的な知識を駆使し、様々な角度から歯を残すための努力を惜しみません。
MTAセメントを用いた覆髄(ふくずい)処置:神経を保存する試み

虫歯が進行して歯の神経(歯髄)にまで達しそうになっている場合、通常は神経を抜く(根管治療)必要があります。
しかし、一度神経を抜くと、歯は脆くなり、寿命が短くなる可能性があります。
そこで、かわばたファミリー歯科では、条件が許す限り、「MTAセメントを用いた覆髄処置」により、神経を抜かずに歯を残す可能性を探ります。
MTAセメントは、生体親和性が非常に高く、優れた封鎖性と抗菌性を持つ歯科材料です。
歯の神経の治療において、神経の保護や再生を促す効果が期待されています。
覆髄処置の仕組み
虫歯を慎重に除去した後、露出した、または露出寸前の神経の上にMTAセメントを直接塗布し、神経を保護します。
MTAセメントが神経の治癒を助け、新たな象牙質(ぞうげしつ)の形成を促すことで、神経を温存できる可能性があります。
この処置は、成功すれば歯の寿命を延ばし、歯を削る量も最小限に抑えることができる、非常に画期的な治療法です。
歯冠長延長術(クラウンレングスニング):深い虫歯でも被せ物ができるように

虫歯が歯茎の奥深くまで進行してしまったり、歯が折れて歯茎の中に埋まってしまったりした場合、通常は被せ物(クラウン)をすることが難しく、抜歯を検討されることがあります。
しかし、「歯冠長延長術(クラウンレングスニング)」を行うことで、抜歯を避けて歯を残せる可能性があります。
歯冠長延長術(クラウンレングスニング)は、歯周外科処置の一つで、歯茎やその下の骨を少しだけ除去し、歯茎の中に埋もれた歯質を露出させる手術です。
これにより、歯に被せ物をするための十分な高さ(歯冠長)を確保することができます。
歯茎の中まで虫歯が進行している場合でも、歯質を露出させることで、精度の高い被せ物を装着できるようになります。
これにより、被せ物の隙間から虫歯が再発するリスクを低減できます。
矯正的挺出(エキストルージョン):歯を引っ張り出して残す

歯の根の深い部分に虫歯ができていたり、歯が折れてしまったりした場合、歯茎の中に残された歯根をそのまま被せ物の土台として利用することは困難です。このような場合も、多くは抜歯が選択されます。
しかし、「矯正的挺出(エキストルージョン)」という治療法を用いることで、抜歯をせずに歯を残せる可能性があります。
矯正的挺出(エキストルージョン)は、歯の根に弱い矯正力を加え、ゆっくりと歯茎の中から引っ張り出す(挺出させる)治療法です。
歯を挺出させることで、歯茎の中に埋もれていた健康な歯質を露出させ、被せ物を装着するための土台として利用できるようになります。
また、周囲の歯槽骨や歯茎も一緒に引き上げられるため、歯周病で失われた骨や歯茎の形態を改善する効果も期待できます。
歯根端切除術:根の先の病巣を取り除く

歯の神経の治療(根管治療)を何度か行ったにもかかわらず、歯の根の先に膿が溜まる(根尖病巣)などして、痛みが引かなかったり、症状が改善しない場合があります。
このような場合、通常は抜歯が検討されます。
しかし、「歯根端切除術」という外科処置を行うことで、歯を残せる可能性があります。
歯根端切除術は、歯茎を切開し、歯の根の先端(歯根端)にある病巣を直接外科的に除去し、感染源を断つ手術です。
同時に、歯の根の先端を一部切除し、そこから細菌が侵入しないように封鎖します。
この方法は、被せ物を外すことなく根の先の治療が行えるため、再治療による歯への負担を軽減できます。
歯周外科治療・歯周組織再生療法(エムドゲイン・リグロス):歯周病で失われた組織を再生
歯周病が進行すると、歯を支える歯槽骨や歯茎が破壊され、歯がグラグラになったり、最終的に抜け落ちてしまったりします。
一度失われた骨や歯茎は、自然には元に戻りません。
しかし、進行した歯周病に対しても、「歯周外科治療」や「歯周組織再生療法」を行うことで、歯を支える組織を回復させ、歯を残すことが出来る可能性があります。
歯周外科治療

歯周外科治療は、歯周ポケットの深い部分にまで進行した歯周病菌や歯石を、外科的に歯茎を開いて除去し、歯周病の進行を食い止める治療です。骨の形を整えたり、歯茎の形態を改善したりすることもあります。
歯周組織再生療法(エムドゲイン・リグロス)

歯周組織再生療法は、失われた歯槽骨や歯根膜、セメント質といった歯周組織の再生を促す画期的な治療法です。
歯周病で抜歯寸前だった歯でも、歯周組織を回復させることで、歯の寿命を延ばし、長く使い続けられる可能性が高まります。
エムドゲイン
歯の発生時に必要なタンパク質を主成分としたゲル状の材料です。
歯周病で失われた歯根の表面に塗布することで、歯周組織の再生を誘導します。
リグロス
歯周組織の細胞増殖を促す因子を主成分とした薬剤です。
こちらもエムドゲインと同様に、失われた歯周組織の再生を促進します。
これらの高度な治療は、全ての症例に適用できるわけではありませんが、私たちは、患者さんの大切な歯を一本でも多く残すために、最適な治療法をご提案し、最善を尽くします。