ダイレクトボンディング
- 虫歯の部分を削る
- 歯にレジンを直接盛り付け、形を整える
- 光を当てて硬化させる
- 研磨して仕上げる

「虫歯を治療したいけれど、歯をたくさん削るのは避けたい…」
「銀歯を白くしたいけれど、セラミックは費用が高そう…」
「小さな隙間が気になるけれど、矯正治療は大変そう…」
このようなお悩みをお持ちの方に、かわばたファミリー歯科がご提案したいのが、「ダイレクトボンディング」という治療法です。
ダイレクトボンディングは、歯への負担を抑えながら、自然な美しさを追求できる、歯に優しい修復治療です。
ダイレクトボンディングとは?歯と一体化する「直接接着修復法」

ダイレクトボンディングとは、歯科用プラスチック(レジン)を直接歯に盛り付け、光で硬化させて形を整えていく修復治療のことです。
様々な色のレジンを何層にも重ねて詰めることで、天然の歯の色調や透明感を再現することができます。
「直接接着修復法」とも呼ばれるこの治療は、その名の通り、歯に直接材料を接着させるため、非常に歯に優しいという特長があります。
ダイレクトボンディングが選ばれる理由:知ってほしい5つの特長
なぜ、かわばたファミリー歯科でダイレクトボンディングをお勧めするのか。
それは、この治療法が持つ、患者さんにとって多くのメリットがあるからです。
歯を削る量をできるだけ少なく、天然歯を残す

従来の虫歯治療では、虫歯になった部分だけでなく、詰め物を安定させるために健康な歯質も削る必要がありました。
特に銀歯の詰め物(インレー)では、形を整えるために、どうしても削る量が多くなる傾向にあります。
しかし、ダイレクトボンディングでは、虫歯になった部分や、気になる隙間の部分のみを削り、健康な歯質をできるだけ多く残すことができます。
これは、レジンが歯に直接接着する性質を持っているため、削る量を最小限に抑えることができるからです。
歯は一度削ると、元には戻らない貴重な財産です。
当院では、歯を削る量を抑えることを治療の基本方針としています。
ダイレクトボンディングは、この考え方に沿った、歯に優しい治療法の一つです。
天然歯をできるだけ残し、ご自身の歯で長く快適に過ごしたいと願う方に適した治療と言えるでしょう。
ほとんどの場合、1回の来院で治療が完了
「歯医者には何度も通うのが大変…」
仕事や家事、育児などで忙しい方にとって、歯科医院への通院は時間的な負担が大きいものです。
一般的な詰め物や被せ物の治療では、歯型を採る日、詰め物・被せ物を装着する日と、複数回の来院が必要になることがほとんどです。
これは、詰め物や被せ物を歯科技工所で製作する時間が必要だからです。
しかし、ダイレクトボンディングは、ほとんどの場合、1回の来院で治療が完了します。
これら一連の工程を、全て当院で行うため、その日のうちに治療を終えることができます。
「忙しくてなかなか時間が取れないけれど、早く歯をきれいにしたい」
このようなご希望をお持ちの方にとって、ダイレクトボンディングは、時間の負担を軽減しながら治療を進められる選択肢となるでしょう。
自然な美しさと、比較的長い期間の使用が期待できる(適応症例を選びます)

「銀歯が目立って、口を開けて笑うのが恥ずかしい…」
「自然な白い歯で、自信を持って笑顔になりたい」
ダイレクトボンディングに使用するレジンは、様々な色調があります。
患者さんの歯の色や透明感に合わせて、複数の色のレジンを重ねて詰めることで、天然の歯と見分けがつかないほどの自然な仕上がりを目指すことができます。
銀歯のような金属の詰め物と違い、金属アレルギーの心配がないのもメリットの一つです。
また、「レジンは変色しやすい」「欠けやすい」といったイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、近年、歯科用レジンの材料は進化を遂げており、強度や耐久性、審美性が向上しています。
適切に処置されたダイレクトボンディングは、比較的長い期間の使用が期待できます。
もちろん、セラミックのように非常に高い強度を持つ素材には劣りますが、噛み合わせの力や、歯ぎしり・食いしばりといった習慣、日々のケアによって持続期間は異なります。
かわばたファミリー歯科では、ダイレクトボンディングが適している症例とそうでない症例を、しっかりと見極めます。
大きな虫歯や、噛み合わせの力が強くかかる部分など、症例によっては他の治療法(セラミックなど)が適している場合もあります。
患者さんのお口の状態を診査し、それぞれの治療法のメリット・デメリットを丁寧に説明した上で、患者さんと一緒に最適な治療法を決定しますのでご安心ください。
歯の隙間(すきっ歯)など、比較的小さな問題にも対応可能

ダイレクトボンディングは、虫歯の治療だけでなく、比較的小さな歯の悩みにも対応できることがあります。
歯と歯の間にできた小さな隙間(すきっ歯)
歯の形を少しだけ整えたい
変色した部分を白くしたい
過去の小さな欠けを修復したい
このような場合に、歯をほとんど削ることなく、レジンを直接盛り付けて形を整えることで、自然な見た目に改善することができます。
大掛かりな矯正治療や、歯全体を削る被せ物治療を行うことなく、気になる部分だけを修復できるため、身体的・時間的・経済的な負担を抑えながら、お口元の印象を改善したい方にとって、適した治療選択肢となるでしょう。
割れても修理ができる「可逆性の治療」
これは、ダイレクトボンディングの特に重要なメリットの一つです。
セラミックの詰め物や被せ物(インレーやクラウン)が欠けたり割れたりした場合、原則としてその部分だけを修理することは困難なため、詰め物や被せ物全体を一度取り外し、歯をさらに削って作り直す必要があります。
これは「不可逆性の治療」と呼ばれ、歯への負担が大きくなります。
しかし、ダイレクトボンディングの場合、もし一部が欠けたり割れたりしても、その部分にレジンを追加して修復することができます。
元の歯をさらに削る必要がないため、非常に「歯に優しい」治療法と言えます。
「治療後に何かあった時でも、やり直しがしやすい方が安心」
そうお考えの方にとって、ダイレクトボンディングは心理的な負担も少ない治療選択肢となるでしょう。
保険診療のコンポジットレジン治療との違い
「白い詰め物なら、保険でもできるんじゃないの?」
そう思われた方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、保険診療でも白い歯科用プラスチック(コンポジットレジン)を使った虫歯治療は行われています。
しかし、保険診療のコンポジットレジン治療と、当院で行う自費診療のダイレクトボンディングには、いくつかの重要な違いがあります。
1. 使用する材料の違い
保険診療のコンポジットレジン
国が定めた範囲の材料を使用します。
多くの場合、色調のバリエーションが限られており、強度や耐久性、審美性においては、自費診療の材料に及ばないことがあります。
時間の経過とともに変色しやすい傾向も見られます。
ダイレクトボンディング(自費診療)
審美性と機能性を追求した、より高品質なレジン材料を使用します。
微細な粒子で構成されており、天然歯に近い透明感や光沢を再現できる豊富な色調バリエーションがあります。
また、強度や耐摩耗性、着色に対する抵抗性にも優れる傾向があります。
これにより、より自然で美しい仕上がりと、比較的長い使用期間が期待できます。
2. 接着剤(ボンディング材)の違い
保険診療のコンポジットレジン
保険診療で認められた接着剤を使用します。
ダイレクトボンディング(自費診療)
レジンを歯にしっかりと接着させるために、より接着力の高い高性能な接着剤(ボンディング材)を使用します。
これにより、レジンと歯の間の隙間ができにくくなり、虫歯の再発リスクを抑え、レジンの脱離や変色を防ぎ、長期的な安定性につながります。
3. ラバーダムの使用
保険診療のコンポジットレジン
ラバーダムを使用しない場合が多いです。
ダイレクトボンディング(自費診療)
治療を行う歯をゴムのシートで覆うラバーダム防湿を、原則として行います。
ラバーダムを使用することで、治療中に唾液や細菌が患部に侵入するのを防ぎ、レジンの接着を妨げる湿気を遮断することができます。
これにより、レジンと歯の接着力が向上し、虫歯の再発を防ぎ、治療の成功率を高めることにつながります。
4. マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)の使用
保険診療のコンポジットレジン
マイクロスコープを使用しない場合が多いです。
ダイレクトボンディング(自費診療)
当院では、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使用して治療を行います。
肉眼では確認しにくい細部を拡大して確認できるため、虫歯の部分のみを正確に、そして健康な歯質をできるだけ多く残しながら削ることができます。
また、レジンをより精密に盛り付け、天然歯との境目をできるだけ目立たなく仕上げるためにも、マイクロスコープが役立ちます。
これらの違いは、治療の精度、審美性、そして治療後の持続期間に影響を与えます。
保険診療のコンポジットレジン治療は、手軽に白い歯で虫歯を修復できるメリットがありますが、より自然な美しさや長期的な安定性、そして歯への負担を抑えた精密な治療を求める場合には、自費診療のダイレクトボンディングが適していると言えるでしょう。
ダイレクトボンディングのメリット・デメリットをしっかり理解する
ダイレクトボンディングは多くのメリットを持つ治療法ですが、全ての症例に適しているわけではありません。
メリットとデメリットをしっかりと理解した上で、ご自身の状況に合った選択をすることが大切ですす。
メリットのまとめ
歯を削る量を最小限に抑える
天然の歯質を多く残せるため、歯への負担が少ない。
1回の来院で治療が完了する場合が多い
忙しい方でも治療を受けやすい。
自然な見た目を再現
様々な色のレジンを組み合わせることで、天然歯に近い色調と透明感を表現できる。
金属アレルギーの心配がない
金属を使用しないため、金属アレルギーの方も安心して受けられる。
比較的小さな隙間や欠けにも対応
歯並び全体ではなく、気になる部分だけを修復できる。
修理が可能
もし一部が欠けたり割れたりしても、歯を削らずにその部分を修復できる(可逆性)。
比較的費用を抑えられる
セラミック治療に比べて費用を抑えられる場合がある。
高品質な材料と接着剤を使用
より高い審美性と耐久性、そして歯との適合性を目指す。
ラバーダム防湿の使用
治療部位を清潔に保ち、接着精度を高める。
マイクロスコープ使用による精密な治療
肉眼では確認しにくい部分まで視野を拡大し、歯を削る量を抑え、より質の高い治療を目指す。
デメリット・注意点
適応症例が限られる
広範囲の虫歯や、噛む力が強くかかる奥歯などには適さない場合があります。
術者の技術に左右される
美しく、長持ちするダイレクトボンディングを行うには、歯科医師の経験と技術が求められます。
変色や着色の可能性
時間の経過とともに、飲食物(コーヒー、紅茶、カレーなど)や喫煙によって、レジンがわずかに変色したり着色したりすることがあります。
定期的なメインテナンスやクリーニングで対応できる場合もあります。
強度がセラミックより劣る
非常に強い力が加わると、欠けたり割れたりする可能性があります。
自費診療となる
保険適用外の治療となるため、費用は全額自己負担となります。